2019年3月5日火曜日

岩屋防衛相、辺野古海底は深さ70mから固い粘土層だったと大ウソ

 岩屋防衛相は4日の参院予算委で、辺野古埋め立て区域の一部に深さ最大 海面下90mの軟弱地盤N値=0)があることについて、70mを超える部分は固い粘土層だと確認されたとして突然最大の深さを70mに修正ました。
 岩屋氏は、「当初、最大深度は90なのではないかという見込みだったが、詳しく調査した結果、70を超えた下の部分には、かなり固い粘土層があることが確認された」と述べました。
 
 全くあり得ない話です。地盤の固さに関するN値を求めるためのボーリング試験は、海上で行う場合仕掛けこそ大掛かりですが、N値そのものは「635kgのハンマーを76cmの高さから自由落下させ、先端にサンプラーを付けた嵌入菅を地層に30cm嵌入させるに要する打撃回数」なので計算を要しません。そもそも地層のN値は「見込み」で出すものではなく、「詳しく調査」すれば別の値になるという性質のものでもありません。N値は上述の通りそれ以上「詳しく調査する」余地がないほど単純なものです。
 
 90mまでN値がゼロということはボーリング試験時に嵌入体が自重で海面下90mまで沈没したということで、それ以外のものではありません。ボーリング試験時の最大の眼目は、どの深さに固い地盤(支持層)があるのかを見極めることなので、それを20mも間違う(しかもすべての調査ポイントで)ということはあり得ません。
 岩屋氏は、ボーリング試験結果を事後に机上で修正出来ると考えているようですが、安倍内閣の捏造体質に染まっているにしてもお粗末過ぎます。
 
 それとは別に安倍政権は4日沖縄県民が投票で反対の意志を明らかにしたにもかかわらず、辺野古新基地造成で9カ所目となる新たな護岸造成工事に着手しました。新護岸を埋め立て用土砂運搬船の桟橋として利用し、工事加速につなげる狙いです
 
 NHKのニュースと東京新聞の記事を紹介します。
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辺野古 軟弱地盤を最深70mに修正 改良工事可能の考え 防衛相
NHK NEWS WEB 2019年3月4日
アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐり、岩屋防衛大臣は、深さ最大90メートルとしていた埋め立て区域の軟弱地盤について、70メートルを超える部分は固い粘土層だと確認されたとして、最大の深さを70メートルに事実上、修正し、安定的に地盤改良工事ができるという考えを示しました。
 
沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐり、埋め立て区域の4割余りで軟弱な地盤が見つかり、防衛省は地盤を強固にするため、およそ7万7000本の砂でできたくいを打ち込む改良工事が必要だという検討結果をまとめています。
これについて、岩屋防衛大臣は参議院予算委員会で「当初、最大深度は90メートルなのではないかという見込みだったが、詳しく調査した結果、70メートルを超えた下の部分には、かなり固い粘土層があることが確認された」と述べ、軟弱地盤の最大の深さを70メートルに事実上、修正しました。
 
軟弱地盤をめぐっては、深さ90メートルであれば工事実績がないとして、野党や、計画に反対する沖縄県が批判していましたが、岩屋大臣は「最大、深度70メートルであれば、安定的な施工ができることを、専門家の知見を得て確認している」と述べ、安定的に地盤改良工事ができるという考えを示しました。
 
 
護岸工事、9カ所目着手 辺野古 沖縄県の反発は必至
東京新聞 2019年3月4日
 政府は四日、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古(へのこ)移設を巡り、全体で九カ所目となる新たな護岸造成工事に着手した。新護岸を埋め立て用土砂運搬船の桟橋として利用し、工事加速につなげる狙い。移設に反対する県の反発は必至だ。
 
 新たに着工したのは「K8」護岸。計画では全長約五百十五メートルだが、周辺に生息するサンゴに影響を与えない二百五十メートルまでを造成する。
 K8は、完成済みのN4護岸(一三五メートル)から沖合へと延びる。政府関係者によると、両護岸を運搬船の桟橋として用い、埋め立て用土砂を運ぶ。
 現在、土砂の陸揚げができるのは北側の護岸の一カ所だけで、K8の利用が始まれば土砂搬入が加速する見通しだ。
 県は、護岸を桟橋として用いるのは目的外使用に当たり、計画を変更する場合は事前に県と協議するとした埋め立て承認の際の留意事項に違反すると批判している。
 政府は南側の護岸に囲まれたエリアのうち、約六・三ヘクタールの区画で昨年十二月から土砂投入を開始。三月二十五日からは、この西隣の区画への投入も予定している。