2019年3月14日木曜日

イージス・アショア 導入費がさらに膨らむ可能性

 岩屋防衛相は12日の衆院安全保障委員会で、「イージス・アショア」の導入を巡り、迎撃ミサイルの発射実験などを行う試験施設建設の費用負担」について米側と協議していることを明らかにしました。イージスアショアの導入費用は迎撃ミサイルなども含め総額6000億円超とみられていますが、さらに膨れることになります。
 
 これについては9日付の読売新聞が、米国が日本の費用負担でハワイ州に試験施設を建設するよう求めている」と伝えています。
 最新鋭レーダー「LMSSR」を搭載したイージスアショアの導入は日本が初めてとなるため新たな試験施設が必要だというもので、何のことはない日本に売るものの性能確認をしていないので、その試験設備の建設費用も出せとい話です。
 日本は不要で効果のないイージスアショアを押し売りされる立場なのに、性能確認施設の費用まで押し付けられるいわれはありません。
 
 真空中を巡行速度マッハ5以上の超音速で飛来するミサイルは桁外れの運動エネルギーを持っているので、それをスピードのより遅いミサイル(マッハ1程度)で迎撃するには本体同士を衝突させるしかありません(爆薬では不可能)が、それは機関銃の弾丸を拳銃の弾丸で撃ち落とす困難さに匹敵すると言われています。当たる筈がないということです。
 トランプ大統領もマッハ5を超える超音速ミサイルの迎撃は地上では対応できないため、宇宙空間にミサイル防衛システムを配備する必要があると明言しています。
 
 イージスアショアを秋田県(秋田市)と山口県(萩市)に配備するというのもおかしな話で、それでは例えば北朝鮮から関東地方に飛来するミサイルには全く対応できません
 それらは北朝鮮からハワイとグアムに向かうミサイルの直下にあるので、ミサイルの進行方向・高度・スピード等のデータを得るのが目的と見られています。つまり日本の防衛のためではなくアメリカの領土を守るためのものです。
 
 いずれにしてもイージスアショアの導入は、高額なだけで日本の防衛には全く役に立たないものなので取り消すべきものでこそあれ、試験施設の費用負担などは論外の極みです。
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地上イージス 導入費膨らむ可能性
東京新聞 2019年3月13日
 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の導入を巡り、岩屋毅防衛相は十二日の衆院安全保障委員会で、迎撃ミサイルの発射実験などを行う試験施設建設について米側と協議していることを明らかにした。協議次第では追加費用が生じる可能性も認めた。アショアの導入費用は迎撃ミサイルなども含め総額六千億円ともみられているが、さらに膨れるおそれがある
 
 アショアのレーダーは米ロッキード・マーチン社製のSSRを採用する方針。現在、開発中で実射試験は行われておらず、標的の探知や追尾、撃破などの一連の性能を確認するための試験が必要との指摘が上がっている。
 
 岩屋氏は「現時点でわが国の負担で実験施設を建設することは決まっていない。必ず施設が必要ということではなく、なくても性能確認できるかも含めて協議している」とした上で、「一定の費用が生じる可能性がある場合は、われわれの方でも適切な形で、全体コストを縮減する形で交渉を行っていきたい」と費用負担の可能性を認めた。 (上野実輝彦、原昌志、藤川大樹)