参院選の前哨戦の統一地方選が戦われている最中、消費税10%増税、原発再稼働、辺野古新基地建設、9条改憲などを目指す安倍政権は八方ふさがりの状況に追い込まれています。
安倍首相が諸々の数値を偽装したうえで どんなに「景気拡大局面は続いている」と叫んでみても、「論より証拠」、国会論戦で家計消費も実質賃金も落ち込んでいる実態を突き付けられては反論は不能です。現に全ての経済指標が先行きの暗さを示しています。
アベノミクスは「失敗」というよりも今や危機的な状況で、とても消費税を10%に上げられる状況ではありません。「消費税増税は自殺行為」です。
17日投開票された東京都台東区議選でも、自民党は総得票・得票率を共に減らし、現職2人が落選し1議席を減らしました。安倍政治に対し無党派・中間層が離れ、「思い上がっている」「ごう慢だ」という嫌悪感が女性を中心に広がっているということです。
安倍首相自らがトップセールスで推し進めてきた原発輸出も、米国、ベトナム、台湾、リトアニア、トルコ、英国すべてで頓挫しました。もはやコスト的にも太刀打ちできなくなった原発を補助するため、経産省は補助の費用を電気料金に上乗せする策略を構想しています。
安倍内閣は、沖縄県民の意志を無視して辺野古への米軍新基地建設に向けて埋め立てを強行していますが、海面下70m以深の軟弱地盤の改良は杭打ちの作業船がないため無理です。新基地建設が技術的に不可能であることも明らかになりました。
防衛大の卒業生の1割が任官を拒否し、自衛隊員の募集に応じる若者が激減しています。
安倍首相には、それが海外派兵を目指す自らの好戦性に起因していることが理解できずに、自治体が自衛隊員募集に協力しないからと思い込んでいるようですが、大間違いです。憲法を改悪することでその状況を解消しようというのも余りにも浅はかです。
米国迎合を兼ねた軍備増強路線は一刻も早く止めて民生安定路線に切り替えるべきです。
しんぶん赤旗の記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
安倍政権 中心政策 八方ふさがり 「ごう慢政権」 選挙で決着を
しんぶん赤旗 2019年3月25日
各党が参院選の前哨戦と位置付ける統一地方選がたたかわれている最中、消費税10%増税、原発再稼働、辺野古新基地建設、9条改憲などをめぐって安倍政権が八方ふさがりの状況に追い込まれています。ところがまったくの無反省ぶり。つける薬がない安倍政権には選挙で決着をつけるしかありません。
グラフ:「景気回復の実感」「10月からの消費税10%増税」
安倍晋三首相が「景気拡大局面は続いている」と叫んで強行しようとしている10月からの消費税10%増税。国会論戦では、家計消費も実質賃金も落ち込んでいる実態を突き付けられ反論不能になりました。さらに中国、EU(欧州連合)、米国など世界経済の減速がいわれ、「消費税増税の方針は八方ふさがりの状況」(日本共産党の志位和夫委員長)です。
何より、安倍首相がいくら「景気回復」を強調しても国民の実感はありません。「産経」19日付世論調査では「景気回復の実感はあるか」の問いに「実感はない」は83・7%。「朝日」同日付では景気の実感が「悪くなった」が49%で、「そうは思わない」41%を上回りました。
経済指標でも、内閣府が3月7日に発表した景気動向指数に続き、20日発表の政府の月例経済報告でも景気判断を3年ぶりに下方修正しました。こうしたもとで「消費税10%増税は自殺行為」(志位氏)になります。日本共産党の街頭演説ではどこでも「今からでも消費税増税は止められる」との訴えに、熱い共感の拍手が巻き起こっています。
原発問題では、安倍首相自らトップセールで進めてきた原発輸出が各国でとん挫。原発の電力価格に一定の価格を上乗せして安全対策費をカバーする構想が政府内で検討されているとの報道もあり、「原発は安い」という言い分も崩壊しています。
17日投開票された東京都台東区議選で自民党は、14人の候補を立て現職2人を含む5人が落選し、1議席減となりました。総得票・得票率も減らし、「票の掘り起こし」にも失敗しています。また、「毎日」18日付世論調査では内閣支持率で不支持優勢に逆転。「産経」19日付でも支持を下げ、不支持と拮抗(きっこう)しています。
「無党派・中間層が離れている。参院選では比例票に影響が出る」。自民党内ではこんな見方も。自民党議員の一人は「今の自民党は外から見ているよりずっと弱い。女性を中心に、『思い上がっている』『ごう慢だ』という嫌悪感が強い」と警戒します。
消費税・原発・沖縄・憲法… 民意と大きなかい離 原発輸出に固執
安倍政権の八方ふさがりは、消費税増税の問題だけではありません。原発輸出・再稼働に固執する政策の破綻もはっきりしています。
この間、ほとんどの世論調査で原発再稼働に反対が多数を占めています。安倍晋三首相自らがトップセールスで推し進めてきた原発輸出も、米国、ベトナム、台湾、リトアニア、トルコ、英国すべてでとん挫し総崩れとなりました。原発がビジネスとしても成り立たないことは明白です。
原発政策をすすめる「根拠」としてきた「原発の電気は安い」との理屈も通用しなくなっています。報道によると、経済産業省は、原発で発電する電力会社への補助制度の創設を検討。「安全対策費」が高騰し、原発の発電コストが他の発電と比べて安くなくなってきているため、原発を特別扱いして価格競争力の維持を狙っています。「『原発は安い』という政府の説明は破綻した。原発ほど高くつくものはないということ」(日本共産党の小池晃書記局長、23日)だと批判しています。
新基地は不可能
沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設について、県民投票(2月24日)で「新基地ノー」の圧倒的な民意が示されました。ところが安倍首相は「評価を差し控えたい」と繰り返すだけ。民意を認めることさえできない局面に追い込まれているのです。
新基地建設は技術的に不可能です。
基地建設の埋め立て海域には最深90メートルの軟弱地盤が存在し、7万7千本もの砂杭(すなぐい)を打ち込まなければなりません。今まで国内では65メートルまでしか実績がなく、前例のない工事です。にもかかわらず、安倍政権は「一般的で施工実績が豊富な工法」などと言ってきました。
さらに、岩屋毅防衛相は「70メートル地点まで地盤改良を行えば安定性を確保できる」などと根拠もなく述べました。玉城デニー知事が基地反対で頑張り、オール沖縄が結束し、全国が連帯すれば辺野古新基地は不可能です。
個人情報を利用
安倍首相は、年明けの通常国会から自衛隊明記の9条改憲について新たな「理由付け」を持ち出しました。
「6割以上の自治体が自衛隊員募集に必要な協力をしていない」「このような状況に終止符を打つためにも自衛隊を憲法上明確に位置づける」というのです。この主張も、改憲・右翼団体「日本会議」仕込みです。
しかし、自衛隊の募集に自治体が、無断で住民の個人情報を提供すること自体が重大な人権侵害です。岩屋毅防衛相も日本共産党の追及に対し、「強制はできない」と言わざるを得ませんでした。それを「合理化」するための憲法明記だという本質が露呈したのです。
この動きに全国で危機感が強まり、自治体の情報提供への抗議が広がっています。