大阪地裁で6日、籠池前理事長夫妻の初公判が行われました。
夫妻は逮捕後300日間も勾留されていましたが、そんなに長期間に渡ったのはいわゆる「口封じ」のためとしか考えられません。
公判で籠池前理事長は、
「私と妻を国策捜査し、逮捕して300日間も勾留したのは口封じだ。安倍官邸の意向と官邸への忖度により財務省が動いた重大な事件から国民の目をそらすためだ」、「小学校は安倍総理大臣、昭恵夫人の応援協力でつくりあげていたのに、開校直前で値引きの問題が勃発すると総理大臣はみずからの保身にかじをきった」
などと、およそ10分にわたって意見を述べました。
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森友学園問題 籠池前理事長「国策捜査」と批判展開 大阪地裁
NHK NEWS WEB 2019年3月6日
森友学園をめぐる補助金詐欺事件の裁判が始まり、籠池前理事長は不正の一部を認めた一方で「国民の目をそらすための国策捜査だ」と主張し、検察の捜査や安倍総理大臣への批判を展開しました。
森友学園の前理事長、籠池泰典被告(66)と妻の諄子被告(62)は、小学校の建設工事や幼稚園の運営などをめぐり、国や大阪府、大阪市の補助金1億7000万円余りをだまし取ったとして詐欺などの罪に問われています。
6日大阪地方裁判所で行われた初公判で、籠池前理事長はおよそ10分にわたって意見を述べました。
はじめに「私と妻を国策捜査し、逮捕して300日間も勾留したのは口封じだ。安倍官邸の意向と官邸へのそんたくにより財務省が動いた重大な事件から国民の目をそらすためだ」と主張し、検察の捜査を批判しました。
さらに「小学校は安倍総理大臣、昭恵夫人の応援協力でつくりあげていたのに開校直前で値引きの問題が勃発すると総理大臣はみずからの保身にかじをきった」と述べ、安倍総理大臣に対しても批判を展開しました。
大阪府や市の補助金については「一部で事実と異なる申請をした。自分の非は率直に認める」と一部の不正を認めたものの、国の補助金については、だます意図はなかったとして無罪を主張しました。
妻の諄子被告は全面的に無罪を主張しました。
弁護士も「国有地の不当値引き疑惑を否定しようとする何者かの思惑で、政権中枢からできるかぎり遠ざけようとする力が働き、夫妻を悪質な詐欺犯と決めつけようとしたのではないか」と主張し、公正な裁判を行うよう求めました。
これに対して検察は「2人は小学校の建設工事費を設計業者に水増しさせ、補助金を確保するよう指示した。大阪府と市の補助金もできるだけだまし取ろうと考え、虚偽の書類を提出した」と述べました。
傍聴席の倍率は11.8倍
初公判を傍聴しようと、大阪地裁には大勢の人たちが訪れ、裁判所は急きょ、予定より早く整理券を配りました。
裁判所によりますと、54の一般傍聴席に対して642人が傍聴を希望したため抽選が行われ、倍率は11.8倍だったということです。
大阪市内から訪れた女性は「籠池さんを見てみたいと思ってきました。真相が知りたいです」と話していました。
兵庫県尼崎市から訪れた男性は「国策捜査だとは私は思いません。本人がどこまで主張を通すのか気になります」と話していました。
森友学園が運営する幼稚園でPTA会長を務めていた図越寛さん(38)は「幼稚園に通っていた長女の名前を勝手に使われて詐欺に利用されました。子どもをだしに使われ、大きな憤りを感じています。法と証拠に基づき、被告には罪を償ってほしい」と話していました。
籠池前理事長「言うべきこと言った」
初公判を終えた籠池前理事長は報道陣に対して、「言うべきことは言いました」と話し、裁判所をあとにしました。
官房長官「個別事件にコメント控える」
(中 略)
今後の裁判は
籠池前理事長夫婦の裁判は次回は5月末で、10月の結審まで15回開かれる予定です。
一方、国有地の値引きや、決裁文書の改ざんの問題では、大阪地検特捜部が告発された財務省の職員らを全員不起訴にしましたが、その判断が妥当だったのかどうか検察審査会の審査が現在も続いています。