2021年7月21日水曜日

21- 組織委は小山田圭吾の悪行を知っていたートヨタに救われた日本(世に倦む日々)

 世に倦む日々氏が「組織委の業界人は小山田圭吾の悪行を知っていたートヨタに救われた日本」とする記事を出しました。組織委は小山田圭吾の悪行を知っていたのであり、そのため14日という もう人選を変更する余裕がない時期になってから作曲家メンバーを発表したと見ています。

 果たして発表された直後から人選への批判が巻き起こりました。はじめの段階では作曲家グループを含む「五輪映像チーム」が小山田氏を排除するのであれば自分たちも降りると抵抗したそうですが、それは五輪の総体的な演出を担っている電通の権力に支えられたものでした。
 そしてこれ以上瑕疵をつけられてはと菅首相が激怒して人選の変更を要求する官邸と時間切れを狙う電通側の抵抗が拮抗したかに見えたのですが、それを一挙に粉砕したのがトヨタ自動車の豊田章男社長でした。東京五輪最高位スポンサーであるトヨタが19日、「色々なことが理解されていない五輪になりつつある」として、五輪関連の自社のCMを放映しないことと社長ら会社幹部も開会式に出席しないことを明らかにしたことで決着したと見ています。
 要するにメディア等に対しては絶大なる権力を持っている電通も、日本を代表するグローバル企業には全く歯が立たないという訳です。
 このブログを読むと、世に倦む日々氏が音楽界などにも相当造詣が深いことが分かります。
 以下に紹介します。

追記)その後、経団連の十倉雅和会長、日本商工会議所の三村明夫会頭と経済同友会の桜田謙悟代表幹事らがそれぞれ五輪開会式を欠席すると表明し、経済3団体が揃って欠席することに騒然となっています。
 それとは別に読売新聞も「東京五輪開催による政権浮揚も望めそうになく、自民党内からは内閣改造を求める声も出始めている」と書いていて、五輪を開催した勢いで総選挙に という菅首相の狙いは外れた感じです。
 内閣改造で支持率が多少上がったとしてもそのまま解散総選挙に突入できるほどのものではなく、むしろ自民党内部の3A(安倍・麻生.甘利)対二階派の主導権争い激化が問題で、解散総選挙の判断を先送りになる可能性が高いと見られています。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
組織委の業界人は小山田圭吾の悪行を知っていた - トヨタに救われた日本
                          世に倦む日々 2021-07-20
19日夜、午後7時すぎに小山田圭吾辞任の一報がネットで出た。昨日(19日)はずっと緊張してネットとテレビでこの問題に集中し、事態の進展に神経を尖らせた一日だった。ひとまず辞任となり、楽曲も式典で使用されないことが組織委から言明され、安堵の気分で一日を終えた。NHKの7時のニュースを見ていると、トヨタが国内で放送する予定だった五輪関連のCMを全て中止にしたという報道があり、その理由として「色々なことが理解されていない五輪になりつつある」という説明がされた。併せて、章男社長の開会式出席も見送りになった。この時点で、まだ小山田圭吾の辞任の報は出ていなかったが、明らかに、トヨタのこの行動が小山田圭吾の騒動と関係があり、トヨタが組織委に抗議の姿勢を示している気配が察知された。「色々なことが理解されていない五輪になりつつある」という言葉は、スポンサー企業のメッセージとしては異例かつ大胆な発信で、何事か真摯な決意を国民に伝えている。池田伸子のニュースを聞きながら、あ、トヨタが動いているんだなと直感した。

辞任に至った経緯の内幕の一部が、本日20日の日刊スポーツの記事に出ている。それによると、組織委の上部は小山田圭吾を辞任させる方向で動き始めたが、クリエイターチーム(⇒五輪映像チーム)が抵抗し、「小山田さんを降ろすなら、我々も降りる」と粘ったため、「開会式が成り立たなくなることを恐れた組織委」が「小山田氏続投の方針を固めた」とある。善後策の説明では、小山田圭吾が担当する楽曲はオープニングの4分間だけで、また開会式の音楽担当は他に3人もメンバーがいて、共同作業であり、小山田圭吾が欠落したところで簡単に修正補完が可能なものだと言う。要するに、辻川幸一郎を中心とする仲間の演出チームが、小山田圭吾を擁護し同調してゴネていたことだ。開会式まで時間がないという状況を逆手にとり、開会式を人質にして、小山田圭吾と仲間たちは開き直って突っ張っていた。無論、現場の歩兵集団に過ぎない彼らが、世間と組織の幹部を相手にこんな反乱を簡単にできるわけがない。彼らを支える権力があったのであり、それは電通だ。電通の権力系統だ。東京五輪のイベントは電通が何から何まで仕切っている。

19日、最初に組織委の高谷正哲の会見報道がネットに出て、小山田圭吾の留任が伝えられ、再び本人の「高い倫理観」が強調され、「開会式準備への貢献の大きさ」がアピールされた。その記事を見て、まだ粘っているのかと失望させられた。その直後、加藤勝信のコメントが出て、「組織委で適切に対応してほしい。いじめは許されるものでない」という発言があり、政府が小田山圭吾を擁護する姿勢でないことが判明した。小山田圭吾を庇って時間切れ本番突入を狙う電通側と、国民にアリバイを証明する程度に緩く圧力をかけている官邸と、二つが拮抗して綱引きしているように見え、先行きが懸念された。おそらく、力の均衡を破って事態を動かしたのはトヨタで、トヨタ(章男社長)の決断と実行だ。官邸の横槍など平然と無視できる日本のCIA様の電通も、トヨタの一撃には降伏せざるを得なかった。私は、今回の事態を収拾したのはトヨタだと考えている。トヨタは東京五輪の別格的な最上位スポンサーで、IOCに何と2000億円のカネを提供している。トヨタがこのぐだぐだに介入して日本のために善処した。電通を打擲した。五輪のために制作したCMをすべて捨てるという犠牲を払って。

推測だが、組織委の内部にスタッフ(宣伝部社員)を入れているトヨタは、例の佐々木宏による渡辺直美の「オリンピッグ」の揶揄と侮辱も含めて、電通が牛耳って次々とトラブルを起こすところの、国民無視の東京五輪の逸脱と放縦に対して、かねてから眉を顰めていたのではないか。やり方がおかしい、人選が間違っているという反発を持ち、危機感を抱いていたのではないか。トヨタの宣伝部だから、この国の映像業界や音楽業界の事情は詳しく知っている。国を代表する企業で最上位スポンサーのトヨタとしては、久石譲のようなビッグネームに音楽を担当してもらいたかっただろうし、宮崎駿が演出して世界にプレゼンテーションする開会式の方がよかっただろう。なぜか、電通の誰かと官邸の誰かが示し合わせたように、国民がほとんど知らないメンバーが演出に居並び、薄暗い渋谷系サブカル族が抜擢されて、栄えある国民的式典の音楽を担当する次第になった。なぜこんな趣向と決定になったのか。誰が主導したのか。この奇妙で異端的な文化的方向性を採用したのは誰なのか。文科省の態度はどうだったのか。検証が必要で、真相を明らかにする必要がある。トヨタはメーカーで、中産層を相手にした商売だから、違和感を覚えたことだろう。

開会式の演出を担当する人事は、7月15日(⇒14日が正)という直前になって発表された。なぜこんなに遅いのかという不自然さと、今回の小山田圭吾の問題発覚は脈絡があると考えられる。すなわち、組織委は、小山田圭吾の過去の虐待事件を知っていて、小山田圭吾の名前を出すとすぐに騒動になるから、それを回避すべく、ギリギリまで発表を控えたのではないかという疑惑だ。開会式の1週間前なら、たとえ過去の事件が発覚し、ネットで拡散して問題化しても、開会式まで時間がなく一からのやり直しができない段階だから、議論している間もなく、そのまま開会式に持ち込めると計算したのだろう。謀計に関与した者たちの具体名を組織名簿から割り出せば、映像監督の辻川幸一郎、音楽監督の田中知之、ショーディレクターの小林賢太郎、エグゼクティブプロデューサーの日置貴之が挙げられる。私はもっと上の電通幹部が絡んでいるだろうと推測する。中村英正は19日夜の会見で、小山田圭吾の障害者虐待について「エグゼクティブ・プロデューサーをはじめ、クリエイターチームも(事前に)把握していたとは聞いておりません」 と釈明している。だが、この言葉は信用できない。メンバーがウソをついている可能性が高い。この業界はとても狭い人脈世界だ。
一つの状況証拠として、3年前に「名大作曲同好会」なるサイトが上げた「渋谷系の時代② 小山田圭吾編」という評論文がある。小山田圭吾の音楽を知る上で便利で分かりやすい資料だが、この解説の前半で、やはり虐待のインタビューの件が情報として顔を出す。他にも、レコード屋で万引きしまくっていたという話の紹介もある。このHPの筆者は、こうした暴力的な悪魔性が小山田圭吾の創作の内的秘密だと認識している様子で、「このぶっ壊れ具合が音楽やるうえでは超プラスに働いて」いると結論している。評価を与えている。これが渋谷系と呼ばれる小山田圭吾の音楽を愛好する者の一般的な見方であり、小山田圭吾論の基礎知識なのだろう。つまり、音楽ファンで小山田圭吾を少し囓っている者は、障害者虐待の事実は周知の特徴的エピソードで、しかも、小山田圭吾の創作と何らか思想的に関連していると考えられているのだ。ファンのレベルでこうなのだから、業界で小山田圭吾と接する者が、障害者虐待の過去を知らないはずがないだろう。小山田圭吾といえば、この異常な犯罪経歴とその自己顕示なのである。組織委の言い逃れは全く説得力がない。見え透いたウソだ。
小山田圭吾の過去の所業を知っていながら、まともな身体検査の手続きをせず、東京五輪開会式という国民的祭典の重要任務に起用した組織委。この責任は重い。選考過程が検証され、真実が隠さず暴かれることを期待する。とまれ、トヨタのおかげで日本が救われた。自民党の文教族も、野党の幹部も、誰も動こうとしなかった。アカデミーの大物も声を上げなかった。小山田圭吾の排除に動かなかった。沈黙し座視していた。実力あるトヨタが動かなければ、われわれは日本の子孫にとんでもない歴史的汚点を残すところだった。恥辱を刻印し、重い負債を背負わせるところだった。日本が世界中の子どもたちの心を傷つけ、障害者と障害者を持つ家族を傷つけるところだった。取り返しのつかない過誤は半分は残ったが、半分は何とか挽回することができたと思う。日本に常識があるところを示した。日本の責任を引き受けたのはトヨタだ。日本人の尻拭いをした。膨大な経営上の損失を出して。