2021年7月9日金曜日

09- 公明党・山口代表ついに“菅切り”か(日刊ゲンダイ)

 5日、BS日テレの番組に出演した公明党の山口那津男代表は、「自民党の総裁選後に総選挙の方が国民の気持ちに合うか」と問われ、「その方が望ましいかもしれない」と発言し、6日は記者会見で、解散総選挙の時期について「一般論で言えば遅い方がいい」と明言しました。

 これは総裁選の前に総選挙を行うという菅首相の再選シナリオを否定するもので、自民党内で物議を醸しているようです。
     ⇒7月8日)「菅降ろし」はもう止まらない…横浜市長選がトドメ
 これまで山口代表は菅首相の意向に反する発言は避けてきましたが、ここにきて敢えてノーを突きつけたのは、公明党も菅首相の下では秋の総選挙を戦えないと判断したからと思われます。都議選で公明党は23人の候補者全員当選させましたが、得票数前回73万票から63万票に減らしているので、このままでは公明党も秋に行われる解散総選挙は大敗しかねません。
 この思いは自民党内の選挙に弱い議員たちと共通するものなので、山口発言が自民党の“菅降ろし”に火をつける可能性があります
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公明党・山口代表ついに“菅切り”か 都議選惨敗の自民に強気と危機感が交錯
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 公明党の山口那津男代表が“菅切り”――。山口代表の“解散発言”が、自民党に激震を走らせている。
 5日、BS日テレの番組に出演した山口代表は、「自民党の総裁選後に総選挙の方が国民の気持ちに合うか」と問われ、「その方が望ましいかもしれない」と発言。さらに、6日は記者会見で、解散総選挙の時期について「一般論で言えば遅い方がいい」と明言した。
総選挙は遅い方がいい」「総裁選の後がいい」という発言は、菅首相の再選シナリオをぶち壊し、自民党内の“菅降ろし”を後押ししたも同然だ。
「自民党の総裁選は、9月中に行われます。もし、総選挙の前に総裁選が実施されると、選挙を控えた自民党議員が“菅首相では選挙を戦えない”と、菅首相を切り捨て、“選挙の顔”になる新総裁を擁立するのは目に見えている。だから、どうしても菅首相は、総裁選の前に解散総選挙に打って出たい。9月前半に解散するつもりです。なのに、山口代表は『総選挙は総裁選の後がいい』とハッキリと口にした。菅首相の再選シナリオにノーを突きつけたということです」(政界関係者)
 いくら連立を組む“友党”とはいえ、他党の総裁選の日程に注文をつけるのは異例のことだ。さすがに、自民党内からも「内政干渉だ」「解散は総理の専権事項だ」との声が上がっている。
 弁護士出身の山口代表は、ほとんど失言をしない。なぜ、自民党に激震を走らせる発言をしたのか。
「ひとつは、都議選で惨敗した自民党に対して、強気に出たのだと思う。都議選で分かったことは、自民党候補には、ほとんど無党派の票は入らないということです。解散総選挙となったら、多くの自民党議員は公明票の上乗せがなければ、当選は難しいでしょう。もうひとつは危機感です。都議選で公明党は、23人の候補者、全員当選したが、苦戦を強いられた。投票率が低かったから組織票でギリギリ当選できただけです。得票数も、前回73万票から63万票に減らしている。このままでは、公明党も秋に行われる解散総選挙は大敗しかねない。山口代表も“菅首相では選挙を戦えない”“顔を代えるしかない”と思っているのでしょう」(公明党事情通)
 山口発言が、自民党の“菅降ろし”に火をつける可能性がある。