2021年7月7日水曜日

都議選勝利を力に総選挙での躍進を 志位委員長(しんぶん赤旗)

 共産党が都議選の結果に関する4つの記事を出しました。
 開票翌日の5日に、志位委員長がJR新宿駅西口で行った都議選の結果を受けて緊急街頭演説についての詳しい記事のほか、当選19人のうち女性が14人を占めたこと、野党共闘で重要な成果が上がり都議選で共闘が大きな力を発揮したこと、更には立民・安住氏が、都議選での共闘が「如実に成果」を発揮したと評価したこと等の記事です。
 共産党と立民党が選挙共闘を組んだことに対しても連合は文句をつけているようですが、これではどうしようもありません。本来は立民党の指導部が打開すべき問題なのですが、現行の枝野・安住の体制で果たしてできるのでしょうか。
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都議選勝利を力に総選挙での躍進を 東京・新宿 志位委員長の訴え
                         しんぶん赤旗 2021年7月6日
 日本共産党の志位和夫委員長が5日、JR新宿駅西口で行った東京都議選の結果を受けての緊急街頭演説は次の通りです。

19議席への議席増は大きな勝利――“都議選3連勝”の歴史的快挙
 みなさんこんにちは。(「こんにちは」の声)
 ご紹介いただきました、日本共産党の志位和夫でございます。(拍手)
 今日は、この場をお借りしまして、昨日行われた東京都議会議員選挙のご報告と総選挙に向けた決意を訴えさせていただきます。
 日本共産党は都議選で現有18議席を確保し、19議席に前進し、都議会野党第1党を維持することができました(拍手)。これは、大きな勝利と言っていいのではないでしょうか(拍手)。このなかで、2人区の文京区、日野市で新しい議席を得たこともうれしいことであります。
 それから、当選した19人のうち14人、実に74%が女性であり、女性議員数で都議会第1党になったこともご報告したいと思います。(拍手)
 そして、今回の都議選の勝利は、2013年、2017年の都議選の勝利のうえに、3回連続の勝利となったことも、とりわけ大切だと、私たちは考えております。
 日本共産党の都議選の歴史を調べてみましても、“都議選3連勝”を勝ち取った記録は、過去に革新都政時代の1960年代から70年代にかけて1回だけあるわけですが、今回はそれに続くものであって、半世紀ぶりの歴史的快挙となりました。(拍手)
 ご支持いただいた都民のみなさん。ご支援いただいた東京と全国の支持者、後援会員、党員のみなさんに心からのお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。(拍手)

都議選の審判は、今夏の五輪はやるべきではないという都民の意思を示した
 日本共産党は、都議選で、「オリンピックより命を大切にする政治を」「オリンピックは中止してコロナ収束に全力を」と訴えてたたかい抜きました。
 この訴えには、多くの都民のみなさんから強い共感が寄せられたと実感しております。そのことは、今日報道されている読売新聞の出口調査で、「五輪開催の方針を評価しない」という方が51%になっていますが、そのなかでの投票先の第1党が日本共産党になっている、このことにも示されていると思います。
 そして、この訴えは、選挙期間中も、情勢を動かしました。東京都が主催するパブリックビューイングは中止になったではありませんか(拍手)。子どもたちをオリンピックに動員する計画に、各地で反対の声が起こり、都内でも18の自治体で中止になったではありませんか(拍手)。声をあげれば政治は変えられる、このことが選挙期間中も示されました。このことに確信を持って、オリンピックはきっぱり中止させようではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)
 その点で、今度の都議選で、オリンピック中止を断固として訴えた日本共産党が議席を伸ばしたことは、オリンピックの中止・延期を公約に掲げた立憲民主党が議席を伸ばしたこととあわせて、今夏のオリンピック・パラリンピックはやるべきではないという都民のみなさんの意思を示したのではないでしょうか。(拍手)
 東京新聞も、今日の社説で、都議選の結果について「五輪強行への批判」が示されたと語っていますが、まさにその通りであります。

菅政権と小池都政は、都民の審判を重く受け止め、五輪中止の決断を
 私は、菅政権と小池都政に、都民のこの審判を重く受け止めることを強く求めるものであります。(拍手)
 東京での新規感染者が、前の週との比較で15日間も連続して増え続け、7月中旬には1000人を超えるという試算も示されているもとで、一刻も猶予はなりません。ただちに五輪開催を中止することを決断し、コロナ収束にあらゆる力を集中することを強く求めたいと思います。(拍手)
 いま政治がやるべきはオリンピックではありません。「コロナ封じ込め」を戦略目標にすえ、責任を果たすことではないですか。
 わが党は、都議選の公約で、ワクチンの迅速接種と大規模なPCR検査をセットで行う、十分な補償と生活支援を行う、医療機関への減収補てんと医療従事者への支援を行う――こうした内容を公約に掲げましたが、コロナ危機を一刻も早く収束させるために、掲げた公約の実現に全力をあげることを、ここにお誓いしたいと思います。(拍手)

東京都政の「四つのチェンジ」――公約実現にむけ全力をあげる
 日本共産党は、東京都政の問題では、次の「四つのチェンジ」を訴えて、選挙戦をたたかいました。
 第一は、都立病院・公社病院の独立行政法人化をやめ、直営のまま充実させることであります。
 第二は「稼ぐ東京」の名で大企業の利益を応援する――羽田新ルート、東京外環道、カジノ誘致などはやめて、福祉と暮らしという自治体本来の仕事に取り組む都政への切り替えを行うということであります。
 第三は、ジェンダー平等、個人の尊厳を大切にする都政をつくっていくということです。
 第四は、米軍ヘリコプターの無法な超低空飛行、オスプレイの配備をやめさせ、平和な東京をつくっていくことです。(拍手)
 これらの一つ一つに対して、多くの都民のみなさんからたくさんの期待や応援の声をいただきました。
 全体として、私たちが都議選で行った政策的な訴えが、都民のみなさんの願いにかなうものであったということは、今日各紙で報道されているように無党派層の中での支持が、共産党が2番目に高いということにも示されているのではないでしょうか。(拍手)
 私たちは、公約の実現に全力をあげてまいります。どうか力をあわせて、安心して希望をもって暮らせる東京をつくっていこうではありませんか。(拍手)

都議選の結果は、菅自公政権への大打撃に――総選挙でサヨナラの審判を
 今度の都議選で、自民党と公明党は自ら掲げた“都議会過半数”を得ることができませんでした。4月25日の三つの国政補選・再選挙――北海道、長野、広島の三つの選挙での野党の勝利、自民党の敗北に続いて、今度の都議選は菅自公政権への大打撃となったのではないでしょうか。(「そうだ」の声、拍手)
 この結果は、国民のみなさんのなかで、菅政権に対する深い怒りがうず巻いていることを示していると思います。コロナで無為無策と逆行を続けているじゃないですか。オリンピック・パラリンピック開催に暴走しているじゃないですか。沖縄県民や日本学術会議に対しては無法な強権をふるっています。そして、「政治とカネ」の問題が次から次へと出てきているのに、一つも反省をしない、一つも究明もしない。国民の声に一切耳を傾けようとしない。菅政権に対する深い怒りが今回の都議選の結果となったのではないでしょうか。
 みなさん、この政権につける薬はもう一つしかありません。総選挙での審判です。総選挙でサヨナラの審判を下そうではありませんか。(拍手)

都議選でも野党共闘は重要な成果をあげた――総選挙にむけた共闘の発展の力に
 一方で、私たち野党は都議選での共闘で重要な成果をあげました。
 日本共産党と立憲民主党は、1人区、2人区、3人区の一部で候補者調整を行いました。そして相互に支援してたたかいました。
 その結果、日本共産党の候補者に一本化する調整を行った五つの選挙区で勝利を勝ち取ることができました(拍手)。一方、立憲民主党などの候補者で一本化する調整を行った七つの選挙区でも勝利を勝ち取ることができました(拍手)。こうして野党の選挙協力は相互の当選者を増やしていくということにつながり、自民党を追い詰める大きな力を発揮したことになったと、ご報告しておきたいと思います。(拍手)
 私も、都内各所で訴えたさいに、わが党候補者に対して、他の野党の国会議員、区議会議員、市議会議員などが支援をよせてくださる、そういう場面に何度も出会いました。都議選を通じて野党共闘が発展し、信頼関係が深まったこと、たいへんにうれしく感じているしだいであります。
 みなさん、この成果を、総選挙にむけた市民と野党の共闘の発展の力にし、その成功のために生かしていこうではありませんか。(拍手)

都議選の成果と教訓生かし、総選挙での躍進のために全力をあげる
 いよいよ次のたたかいは総選挙です。
 都議選の成果と教訓を生かして、総選挙では、日本共産党は、比例代表で「850万、15%以上」の得票を必ず獲得し、躍進を実現するために全力をあげます、どうかご支援をよろしくお願いします。(拍手)
 あわせて、市民と野党の共闘を必ず成功させ、政権交代を実現し、国民の声が生きる新しい政権――野党連合政権をつくるために、ご一緒に頑張ろうではありませんか。(拍手)
 このことをお訴えし、私の話といたします。ありがとうございました。(声援、大きな拍手)


共産 都議選3連勝 女性議員14人 第1党
                        しんぶん赤旗 2021年7月6日
 4日投開票された東京都議選(定数127)で日本共産党は現有18議席を確保し、1議席増の19議席を実現しました。3回連続の前進は1965~73年以来、ほぼ半世紀ぶり。「歴史的快挙」(志位和夫委員長)となりました。
 低投票率で主要政党がすべて得票を減らすなか、共産党は31人が立候補、前回と比較が可能な選挙区で、得票率を14・83%から15・79%へ前進させました。2人区に立候補した3氏は全員当選。前回215票差で惜敗した文京区の福手裕子氏はトップで初当選、他党派議員や市民から支援を受けた日野市の清水登志子氏も初当選しました。北多摩4区の原紀子氏はトップで再選を果たしました。
 目黒区の星見定子氏が6票差で惜敗、北多摩3区の田中智子氏も大接戦でしたが、及びませんでした。墨田区の伊藤大気氏も健闘しましたが、一歩及びませんでした
 女性議員が19人中14人、74%を占め、実数で第1党になりました。
 自民党と公明党は両党で都議会過半数(64議席)を狙いましたが、自民党33議席、公明党23議席で届きませんでした。都民ファーストは現有45議席から31議席に減らし、第2党となりました。
 投票率は42・39%(前回51・28%)で過去2番目の低さでした。


野党共闘で重要な成果 都議選で大きな力発揮
                        しんぶん赤旗 2021年7月6日)


 野党の共闘は東京都議選で大きな成果を上げました。日本共産党が立憲民主党や無党派の幅広い市民などから支援を受けて5選挙区(文京区、豊島区、北区、日野市、北多摩4区)で勝利しました。一方、7選挙区(渋谷区、中野区、立川市、武蔵野市、小金井市、小平市、北多摩2区)では、日本共産党が支援・推薦した立憲民主党などの候補が当選しました。
 日野市(定数2)では、市民と野党の共同候補としてたたかった日本共産党の清水登志子氏が当選。前回(2017年)から得票数を4925票、得票率を12・65ポイント増やし、自民党の現職に競り勝ちました。文京区(定数2)では、前回215票差で惜敗した福手裕子氏が共闘の輪を広げ、得票数4033票増、得票率7・93ポイント増となり、自民の現職に勝利しました。北多摩4区(定数2)の原紀子氏も他党の議員や幅広い市民からの支援を受け、2265票増、10・43ポイント増でトップ当選を果たしました。
 日本共産党の米倉春奈氏(豊島区・定数3)、曽根肇氏(北区・定数3)も、市民と野党の共同代表として現有議席を守り抜きました。
 1人区でも共闘の力で議席を勝ち取りました。武蔵野市では、日本共産党の小池晃書記局長が応援に入った立憲民主党の五十嵐衣里氏が初当選。19年の参院比例票と比べると得票数は1万207票増、得票率は22・51ポイント上回りました。小金井市では共産・立民などが推薦する無所属の漢人(かんど)明子氏が、得票数1万8789票、得票率45・40%を獲得し、都民ファーストの会の現職を破りました。


都議選 共闘は「如実に成果」立民・安住氏が評価
                        しんぶん赤旗 2021年7月6日
 立憲民主党の安住淳国会対策委員長は5日、国会内で記者団の取材に応じ、東京都議選での市民と日本共産党など野党との共闘について「如実に成果が出た」と評価しました。秋までに実施される総選挙については、「野党が一つになって固まれば、政権交代が現実味を増した」と述べました。
 都議選で自民党と公明党が目標としていた過半数に届かなかった結果について、安住氏は「五輪の対応やコロナ対応についての政権の評価がある程度如実に出た結果ではないか」と語りました。
 その上で、今回共闘した中野区や武蔵野市の選挙区などではトップ当選を果たしたとして「一本化したところにまとまって票が入り、トップ当選というパターンが一つ見えた」と指摘。総選挙に向けて今回の結果は「非常に示唆に富んでいる」と述べ、「総選挙で政権交代となれば国を動かすための基本政策を早急に整理しないといけない」とも話しました。