西村経済再生相が8日、飲食店への新型コロナ対策の一環として、酒類の提供停止の要請に応じない飲食店に対しては、金融機関からも働きかけさせるとする方針を出しましたが、自民党内を含め激しい批判に晒され1日で撤回しました(しかし内閣官房と国税庁酒税課が酒類業中央団体連絡協議会に対し、酒類提供停止に応じない飲食店とは取引を停止しろと「依頼」する8日付の事務連絡は撤回されず生きています)。
そもそも銀行筋からそうした強要をさせることは「金融機関の優越的地位を利用した行為」で、行政がそれを指導するなどは論外です。
西村氏が非難されるのは当然ですが、では彼が独断でそうしたのかと言えばそんなことはなく、世に倦む日々氏は9日夜にズバリ「こんな重大な、飲食店に対する生殺与奪の政策を、西村康稔が一存で決定・発表できるわけがないじゃないか。菅義偉が決めて子分の西村康稔に言わせたことだよ。いかにも菅義偉らしい手法じゃないか。弱者を脅して無理やり言うことを聞かせるやり方」とツイートしました。
まさにその通りと思われこの問題を取り上げたLITERAの記事も、菅政権の意思統一の下で8日に内閣官房などが動き出していて、同日の西村氏の一連の言動からも独断で行ったものではないことを明らかにしています。
そもそも、時短営業や酒類提供停止を強化するというのであれば政府がそれに応じた新たな補償策を用意するのが筋ですが、行ったのは「協力金の前払い」というとっくの昔にやっておくべき対応だけでした。
しかも、業者にとっては「雀の涙」でしかない支援金(1月におこなわれた2度目の宣言発出時に実施された一時支援金=法人・上限60万円、個人事業者・上限30万円)は、6月15日に申請が締め切られましたが、6月10日時点で申請が通って支給された支援金は予算の2割にすぎないという有様です。
それは申請しても、「提出した書類に不備がある」という長文メールを送り返され、ハードルが高い書類による証明を次々に求められるという「不備ループ」と呼ばれる仕掛けがあって、10回出し直してもダメというような驚くべき実態があります。この手続きを行っている行政書士によれば、「不備ループ」に陥った15の事業者にアドバイスを行っているものの、そこから抜け出せた事業者は「1つもない」ということです。
詳しいことはLITERAの記事に書かれている通りですが、これもまた「優越的地位を利用した」悪政に他なりません。
併せてまるこ姫のブログ「 ~ 西村経済再生相は元々パワハラ体質の人」を紹介します。
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西村大臣の飲食店圧力に菅首相が同調していた証拠が…しかも国税の取引停止指示を継続、業者への支援金は拒否連発で支払い2割
田部祥太 LITERA 2021.07.10
西村康稔・経済再生相が袋叩きにあっている。酒類提供の停止に応じない飲食店に対し、融資をおこなう金融機関から「働きかけ」を求めると言い出したことで、ネット、マスコミ、野党だけでなく、自民党内からも厳しい批判の声があがり、最終的には方針撤回に追い込まれた。
昨日9日午後におこなわれた加藤勝信官房長官の記者会見で「関係省庁から個別の金融機関などへの働きかけはおこなわないことにしたと西村担当相から連絡を受けた」ことが明かされたのだ。
当然だろう。そもそも、時短営業や酒類提供停止を強化するというのであれば政府がそれに応じた新たな補償策を用意するのが筋なのに、菅義偉首相がドヤ顔で打ち出したのは「協力金の前払い」というとっくの昔にやっておくべき対応だけ。その上、資金繰りが厳しい飲食店に対して融資する銀行などの金融機関を使って恫喝をかけさせようとは、完全にヤクザの発想だ。
しかも、金融機関から働きかけをさせるというようなことは特措法にも政府の基本的対処方針にも書かれておらず、法的根拠がまったくない。さらに金融機関がそうしたことをおこなうこと自体、独占禁止法が禁じる優越的地位の濫用に抵触するという指摘もある。ようするに、経済再生相という立場を悪用して銀行を動かし、違法行為をやらせようとしたのである。
この横暴な姿勢への国民の怒りは大きく、ネット上では撤回後も西村経済再生相は「経済破壊大臣」「経済弾圧大臣」「経済低迷促進担当大臣」と大喜利状態になっている。
しかし、この金融機関を使った飲食店への恫喝方針は、西村経済再生相個人のスタンドプレーだったわけではない。実際は、菅首相もその方針を認めていた。それを物語るのが、批判が高まった発言の翌日、昨日9日午前の動向だ。
菅首相は、9日朝、記者から「優越的地位の濫用につながらないか」と問われた際、「西村大臣というのは、そうした主旨での発言というのは絶対にしないと私は思っている」などと発言。「絶対にしない」も何も、そういう主旨での発言だとしか捉えようがないのだが、菅首相は方針を否定も撤回もしなかった。
首相動静によると、菅首相はこのあと閣議に出席し、閣議が終わるとすぐに西村経済再生相と面談している。
そして、この菅首相との面談のあと、西村経済再生相の会見が開かれたのだが、西村氏はこの段階では方針を撤回しなかったばかりか、金融機関からの働きかけを「真面目に取り組んでいる事業者との不公平感の解消のためだ」と主張した。東京五輪の会場では酒の販売を認めようとしていたというのに、この期に及んで「不公平感」などと言い出すとは呆れるが、重要なのは、西村氏が菅首相との面談を踏まえてなお、姿勢を変えていなかったことだ。
状況から考えて、閣議後の面談はこの金融機関による働きかけについて話し合うものだったはず。それでも西村経済再生相が方針を撤回しなかったのだから、菅首相もその方針を容認し、共有していたとしか考えられない。
それどころか、官邸周辺では「たしかに西村大臣はスタンドプレーが目立つが、経産官僚出身だから、違法性があることを知らなかったとは思えない。それでもこんな強引なやり方を打ち出したのは、菅首相に尻を叩かれたからではないか」という見方も流れている。実際、この金融機関の働きかけについては、西村経済再生相が発言した段階で、すでに内閣官房のHPには金融機関への通知を前提にした事務連絡が出ていた。
金融機関を使う方針は撤回したが、国税庁が酒類提供飲食店との取引停止を指示
いずれにしても、菅首相がこの金融機関を使ったヤクザまがいの恫喝に同意していたことは間違いない。
そして、菅政権は金融機関を使う方針は撤回したものの、同様の横暴な飲食店に対する圧力は継続している。じつは、内閣官房と国税庁酒税課が酒類業中央団体連絡協議会に対し、酒類提供停止に応じない飲食店とは取引を停止しろと「依頼」する事務連絡を8日付で出しているのだ。
「金融機関を使った働きかけ」という方針の下劣さのせいで霞んでしまっているが、しかし、この国税庁を使った「依頼」もヤクザの発想と言うほかなく、相当に酷い。それは飲食店に対する兵糧攻めであるということだけではなく、酒類の卸業者に対する締め付けでもあるからだ。
ご存じのとおり、時短営業や酒類提供停止の要請に応じた飲食店には協力金が支払われるが、一方、飲食店と取引して食材や器材の納入などをおこなう関連業者には協力金などの補償はなく、飲食店の休業・時短営業や外出自粛の影響で売上が半分以下になった事業者に対する月次支援金(法人・上限月20万円、個人事業者・上限月10万円)しかない。そのため、飲食店からは同じように苦境に立たされている卸業者の先行きを心配する声があがり、それを理由に要請に応じず酒類の提供をつづけている店もある。
つまり、政府が対策を強化するというのであれば、飲食店への補償の見直しと同時に、関連業者に対する手厚い補償策を打ち出すべきなのだが、前述したように、今回の宣言発出で菅首相は新たな補償策を何ひとつ用意しなかった。そればかりか、「酒類提供を停止しない飲食店とは取引するな」とまで言い出すとは、これは飲食店と関連業者に首を括れと言っているようなものだ。
しかも、政府による関連業者に対するイジメは、これだけではない。業者にとっては「雀の涙」でしかない支援金さえ「申請したのに支給がされない」という悲鳴があがっているからだ。
その支援金とは、1月におこなわれた2度目の宣言発出時に実施された一時支援金(法人・上限60万円、個人事業者・上限30万円)。対象となったのは月次支援金と同じく飲食店の時短営業や外出自粛の影響で売上が半分以下になった事業者で、すでに6月15日に申請が締め切られたが、所轄する経産省によると、6月10日時点で申請が通って支給された支援金は予算の2割にすぎない。
支援金は死活問題であるにもかかわらず、なぜ給付が進まないのか。じつはそこにはあるカラクリがあった。それは、申請をおこなっても「提出した書類に不備がある」という長文メールを送り返され、ハードルが高すぎる書類による証明を次々に求められるという「不備ループ」と呼ばれるものだ。
業者への一時支援金では、決めつけと、書類へのいちゃもんで「不備ループ」続出
この問題について取り上げた7月3日放送の『報道特集』(TBS)では、申請をおこなったものの「不備がある」として10回も撥ね付けられたというネイルサロン経営者が「実家の登記簿や戸籍抄本、領収書、売上表もすべて提出しているのに、これでもダメなのか」と証言。しかもこのネイルサロン経営者のもとには“タクシー事業の許可を受けていることがわかる書類を提出しろ”という業種違いのメールまで届く始末。何度も「書類の不備」を理由に申請を撥ね付けておいて、ろくに提出書類に目を通していないのである。
さらに、一時支援金の申請には、事前に行政書士などと面接をおこない給付の対象かどうかを確認することが求められている。だが、この申請の事前確認をおこなっている行政書士も「まったく同じ業種で同じような書き方をしても(申請が)通るのと通らないのがある」と語り、15の「不備ループ」に陥った事業者にアドバイスをおこなっているものの、そこから抜け出せた事業者は「1つもない」と述べている。つまり、プロもお手上げ状態なのだ。
どうしてこんなことになっているのか。番組では申請の審査担当者が取材に応じているのだが、なんと審査担当者はほとんどがアルバイトであり、さらには申請が最終審査まで通ったもののなかから「基礎控除以外の控除がない」人をチェックして抽出しており、その人たちが「不備ループ」に陥っていると証言。この審査担当者が「何のためのチェックか」と訊いたところ、上役は「控除がない方のなかに不正者は潜んでいるんだ」と説明したという。
事業者を色眼鏡でふるいにかけ、無茶な書類提出を何度もふっかけ、申請を通そうとしない──。証言をおこなった審査担当者は「はっきり言って税務署の調査より厳しい」「あまりにも不親切すぎる」と憤っていたが、キャリア官僚による持続化給付金の詐取事件まで起こした経産省は、かたやこんなやり方で事業者いじめをおこなっているのである。
そして、挙げ句の果てに菅政権は、4度目の宣言発出という感染拡大防止の失敗を棚に上げて、あおりを受ける酒類の卸業者や飲食店に責任転嫁しよう とし、これまで以上にスケープゴートに仕立て上げようとしているのだ。
繰り返すが、これは金融機関を使った恫喝の方針を取り下げたくらいで不問に付せるような問題ではまったくない。西村経済再生相の更迭はもちろん、方針を事実上容認し、さらには飲食店への攻撃だけをコロナ対策とし、一方で東京五輪を開催しようという菅首相の責任も厳しく問われなければならない問題なのだ。(田部祥太)
西村経済制裁相もとい西村経済再生相は元々パワハラ体質の人
まるこ姫の独り言 2021.07.10
西村は元から評判が悪かったが、今回の騒動でよくわかったことはパワハラ体質だという事だ。
>月378時間の残業で陳謝……西村コロナ相のパワハラ疑惑「俺の言ったとおりになってない!」 3/6(土) 13:12配信 文春オンライン |
3月にこういった記事が出ていたことからも、今回の飲食業以外にも不当な圧力や恫喝は日常茶飯事だったのではないか?
そういう考えで生きてきた人だから。
今回、酒類の提供停止に応じない飲食店に対して取引金融機関から順守を働き掛けてもらうと言った西村の発言に対して、もう、ありとあらゆるところから反発を受けていたが、事の重大性を分かったのか、それともあまりの反発にここは大人しくしていようと考えたのか知らないが、撤回をせざるを得なかった。
西村担当相 “金融機関からの働きかけ”は「やらないということになりました」 |
いやあ。。。。加藤もグルだな?
西村から報告を受けて、方針を撤回したという事なら、西村一人が考えての事ではないのでは?
官房長官も一枚噛んでいた可能性が高い。
話し合いで解決する気などさらさらなく、圧力と恫喝で国民を押さえつけて来た自民党議員の考えそうなことだ。
西村はもちろん政府の言う事を聞かない飲食業に制裁を科す気満々だったという事が分かる。
菅は西村のこの圧力・恫喝発言を知らないと逃げていたが、本当にそうだろうか。
西村は二階幹事長に謝罪に行ったそうだが、二階に謝罪する前に飲食業の人達に謝罪をするべきだろうに。
1年半以上もコロナ禍で振り回され、今や生きるか死ぬかの瀬戸際になっている飲食業に対して、五輪開催のためにさらに追い詰める政府の対応はなんなのか。
ネットで騒がれなかったらスルー、ネットで反対の声が大きいと、突如修正してくる。
衆議院選挙に向けて、国民の反応をうかがっているのだろうが、いかにも無能無策で政権の体をなしていない。
>「そもそも関係省庁から金融機関に何か働きかけをすることは、やらないということになりました」
この軽さはなんなのか。。。
あっという間に金融機関への働きかけはやらない事になったと。
多くの人が怒髪天を突くほど怒った発言が簡単に撤回され、肩透かしをされた感じがするが、再生相の発言はそんなに軽かったのか。
アホらしくなってきた。。。