2021年7月8日木曜日

立憲 枝野も舐められたもの 選挙全敗首相で衆院選突入とはいい度胸(日刊ゲンダイ)

 都議選も含めて菅自民党が選挙を全敗していることについては、各紙やブログが繰り返し指摘しているところです。

 今回は「それと共に立民党の枝野氏もダメだ」と批判する記事を紹介します。
 日刊ゲンダイは、「都議選でも立憲の枝野代表存在感ゼロ改選前8議席から15議席にほぼ倍増とはいえ、自民と都ファのそれぞれ半分にも満たず、議席を増やしたのも共産との候補一本化による選挙協力が奏功した結果なのに、枝野はその恩義を軽んじて、志位委員長と4月末の党首会談で合意済みの衆院選に向けた協力のための協議を2カ月以上も放置している。また選挙中も立民党の国会議員が候補不在の選挙区で共産候補を応援したことに目くじらを立て許されないと発言し、共産との共闘に閣外協力もあり得ない』と反発する支持団体の連合に配慮し、逆らえない立場をかたくなに守り続けるとは愚の骨頂だ」と述べ、更に「CM規制などの付則追加を条件に改正国民投票法に賛成したのも解せなかった。その背景で囁かれるのが与党との談合疑惑」とまで書きました。

 また「世に倦む日々」は、「都議選のデータを確認すると、立憲民主党は57万票を獲得している。2年前の参院選の東京選挙区では118万票を取っていた。投票率が違い、選挙システムが異なるので、二つのデータは単純には比較できないけれど、今回の立憲民主の票がかなり少ない事実が窺える。
 ちなみに共産党の方はどうかと調べると、今回は63万票、2年前は70万票で、投票率やシステムの異同を考えれば、ほぼ同じ得票を維持していると言える。手堅い選挙をやっている」と述べた上、結びのところで「もし料亭国対があったとしたら、 4人(自民森山国対、麻生、立民・枝野、安住国対)でその話がされていたのかもしれない。枝野幸男の討論攻勢が不発だった謎は、その妄想が解かもしれない。次の衆院選後は大連立があるかもしれないと考えるのは、それが理由である」とまで書いています。
 なお、ブログ「世に倦む日々」は前半部分を割愛しましたので、下記から全文にアクセスしてください。
 (世に倦む日々 7/7都議選分析-小池百合子を支持した女性有権者、枝野幸男の失策と自滅
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立憲・枝野も舐められたものだ 選挙全敗首相で衆院選突入とはいい度胸
                        日刊ゲンダイ 2021年7月7日
                        (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 やはり嫌われ方はハンパじゃなかった。都議選で改めて露呈した菅首相の人気のなさ。ひたすら「安心安全」を唱え、開催基準となる数値や目安は何ひとつ説明せず、国民の不安の声に耳をふさぐ東京五輪ゴリ押し。「目標1日100万回!」の大号令で自治体を恫喝、大企業もせっつき、自衛隊まで動員しながら、いきなり「弾切れ」でハシゴを外したワクチン「打て打て」詐欺――。
 何から何まで民意逆なでのポンコツ政治で菅には好かれる要素なし。本人も不人気を自覚してか、告示日に党関係者向けの出陣式に顔を出しただけ。「菅隠し」の結果、自民の獲得議席は33。史上ワースト2の歴史的惨敗を喫したが、菅を前面に押し出せば、この程度の負け方では済まなかったはずだ。
 天敵・小池都知事との「選挙の顔」の差は歴然。「同情するなら票をくれ」の寝たふり作戦で、都民ファーストの会は31議席を獲得。したたかな「女帝」に一枚も二枚も上手ってことをまざまざと見せつけられた。
 それでも菅は懲りちゃいない。この期に及んで「有観客五輪」に固執。無観客にカジを切るのは夜9時以降開催の競技や収容人数50%が5000人以上の大規模会場だけ小規模会場と“五輪貴族”が大挙する開会式は条件付きで観客を入れる方針とは、民意もヘチマもありゃしない。
 都議選で共産は五輪中止、立憲民主は中止や延期、都ファは無観客を訴えた。この3党と中止を強く求めた生活者ネットの1議席を合わせると、獲得議席は66と半数超え。選挙中に山口代表が「無観客」に言及した公明も含めれば、議会の7割を占める。

もはや党首の存在自体がスキャンダル
 つまり開催都市の民意は「五輪は中止」「せめて無観客」。それがハッキリ示されたのに、菅は平然と「5者協議の中で最終的に決める。選挙の結果にかかわらず」と言い放ち、国民と対話する気などみじんもない。
 コミュニケ 力ゼロで反省するそぶりもない鉄面皮が、いまだ政権政党の「選挙の顔」。秋までには絶対に行われる総選挙を控え、「菅降ろし」が表面化する兆しすらない自民も、国民にケンカを売ったも同然である。
「昔の自民なら都議選開票と同時に即、政局でしたよ」と、法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。
「タカ派からハト派まで各派閥が競い合い、『疑似政権交代』が可能な多元性こそ、かつての活力源でした。ところが『安倍1強』にあぐらをかき、気づけば風に乗って当選を重ねた若手のイエスマンだらけ。前首相が後継候補を徹底的に干したせいもあり、今や衆目の一致する『ポスト菅』が枯渇。多様性は消滅し、活力を失っています。コロナと五輪を前に思考停止に陥り、衆院選も菅首相と抱き合い心中。『五輪がある程度成功し、ワクチンも国民に行き渡れば勝てる』と、はかない望みを託すオメデタ政党に成り下がっています」
 都議選で時の首相が告示日以外に表舞台に立たなかったのは、1989年の宇野宗佑元首相以来の珍事だ。「3本指」の女性スキャンダルで猛反発を招いた宇野と違って、もはや菅は存在自体がスキャンダル。選挙全敗首相で衆院選突入とは、自民党もいい度胸だ。

「令和の55年体制」を疑われる野党第1党
 4月の衆参3選挙で全敗、与野党対決となった山形、千葉、静岡の各知事選でも敗北。それも応援入りゼロの「菅隠し」の戦果だ。昭和のスポーツ漫画の“秘密兵器”じゃあるまいし、前哨戦で散々ベンチを温めてきた選手に、いきなりの本番で奇跡の勝利を期待するのも酷な話である。
 すべての選挙で「NO」を突きつけられた菅が、どのツラ下げて街頭に立つのか。立憲の枝野代表も舐められたものだが、コケにされるのも無理はない。都議選でも「自民VS女帝」の構図に埋没し、存在感ゼロ。改選前8議席から15議席にほぼ倍増とはいえ、自民と都ファのそれぞれ半分にも満たない。
 議席を増やしたのも共産との候補一本化による選挙協力が奏功した結果なのに、枝野はその恩義を軽んじる。共産の志位委員長と4月末の党首会談で合意済みの「衆院選に向けた協力のための協議」を2カ月以上も放置。65超の小選挙区で候補重複の問題解決も「選挙直前でいいや」がホンネで、願わくば共産が自主的に降ろすことに期待を寄せているというから、何サマなのか。
 選挙中も立憲の国会議員が候補不在の選挙区で共産候補を応援したことに目くじらを立て、「許されない」と発言。共産との共闘に「閣外協力もあり得ない」(神津会長)と反発する支持団体の連合に配慮し、逆らえない立場をかたくなに守り続けるとは愚の骨頂だ。
「“ぼったくり男爵”に何も言い返せない菅政権とIOC(国際オリンピック委員会)との関係を想起させます。枝野代表は都議選で共産より議席が下回った現実を受け止め、謙虚になるべきなのに見下し続ける。右往左往の末、ようやく『時限的な消費税率5%への引き下げ』の公約化を認めましたが、それこそ、れいわ新選組の山本代表が昨年から提示してきた『共闘への唯一の条件』。ところが、枝野代表は共産よりもさらに下に見て歯牙にもかけない。どこまで野党共闘に本気なのか。理解に苦しみます」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)
 自民に「衆院選に都ファはおらず、消極的でもウチを選ぶ人が増える」(閣僚経験者)と甘く見られても仕方ない。塊になって立ち向かってこない野党なんて怖くも何ともないのだ。

「パンとサーカス」で忘れられた存在に
 先の通常国会でも、立憲の本気度は怪しかった。菅長男が絡む接待問題の浮上後も、予算案の審議を止めず、すんなり衆院通過。予算の年度内成立が見えた3月半ばに実現した参考人招致も形だけ。渦中の東北新社社長が引責辞任した直後のタイミングで、国会に呼んだのは何も知らない新社長。当然ながら追及は不発に終わった。
 CM規制などの付帯決議を条件に改正国民投票法に賛成したのも解せなかった。8国会にわたって採決を拒みながら、突然の心変わり。政権を奪えば廃案はおろか、改憲の道筋さえ葬り去れたのだから、政権交代の覚悟に疑問符がつく。
 その背景で囁かれるのが、与党との談合疑惑だ。修正案で賛成に回る代わりに、与党に2年ぶりの党首討論や内閣不信任案の提出など“会期末の見せ場”づくりをのませたとの見立てである。
 その見せ場すら枝野代表は生かせず、菅首相との党首討論は迫力不足。自身の政権構想に延々と時間を割く空気の読めなさで、1時間半に及んだ内閣不信任案の趣旨説明も心に響かない長広舌。ひとりカラオケで悦に浸るオジサンと変わりません。この先、五輪開催でメディアと代理店との強力タッグで“お祭り騒ぎ”を仕掛けられたら、都議選の結果もリセットされかねません。八村塁、大坂なおみ、池江璃花子ら各選手を連日フィーチャー、枝野代表に露出機会は与えられず世間に忘れられた存在となってしまう。解散直前に菅政権に再び数万円の給付金をバラまかれたら、いよいよ目も当てられない。“令和の55年体制”を疑われるような野党第1党なら『パンとサーカス』の前に屈し、みすみす政権交代の好機を失うだけ。国民にとって不幸な存在でしかありません」(五野井郁夫氏=前出)
 前出の五十嵐仁氏は「立憲が本気なら連合に振り回されないこと。それなしには、生活に悲鳴を上げる国民の怒りと苛立ちの受け皿になり得ない」と語った。
 一定の影響力を有するだけで満足し、万年野党に甘んじる永田町のぬるま湯から立憲が抜け出さない限り、この国に未来はない。


都議選分析 - 小池百合子を支持した女性有権者、枝野幸男の失策と自滅
                          世に倦む日々 2021-07-07
(前 略 ・・・ 小池百合子氏に関する記述は省略)

問題は立憲民主である。こちらを論ずる必要がある。今回、大惨敗を喫したのは自民党だが、立憲民主も惨敗だったと言えよう。議席数は2倍に伸ばしたけれど、本来得るべき票数には全く届かない結果に終わった。菅義偉に対する不満と反発の受け皿になることができず、受け皿の役を都民ファに取られてしまった。なぜこんなことになったかというと、6月9日の党首討論が影響している。私は5月27日のブログで、「自民惨敗・野党大勝」と期待もこめて予想を書いた。「自民惨敗」は的中させたが、「野党大勝」は大外れとなった。まさか、6月9日の党首討論があのような内容になるとは思ってもみなかったからである。あの党首討論の後、五輪中止のモメンタムは一気に沈静化した。宇都宮健児の動きも止まり、海外マスコミが五輪中止の論陣を張る図も途絶えた。都議選で野党が大勝する希望も潰えた。今回、データを確認すると、立憲民主党は57万票を獲得している。2年前の参院選の東京選挙区では118万票を取っていた。投票率が違い、選挙システムが異なるので、二つのデータは単純には比較できないけれど、今回の立憲民主の票がかなり少ない事実が窺える

ちなみに共産党の方はどうかと調べると、今回は63万票、2年前は70万票で、投票率やシステムの異同を考えれば、ほぼ同じ得票を維持していると言える。手堅い選挙をやっている。今回は、無党派層の浮動票を都民ファに回収された。菅義偉の五輪強行開催の暴走に対する反対票が、小池百合子への同情という動機づけを与えられ、立憲民主ではなく都民ファに流れ込む回路となった。もし6月9日の党首討論で、枝野幸男が、「世界は東京五輪の中止を求めている。これは日本政府の責任だ。この場で中止を決断せよ。さもなくば解散して民意を問え。二つに一つを選択せよ」と迫って見せ場を作れば、世論は喝采し、マスコミは沸き立ち、一気に政局が盛り上がり、都議選の決選へと縺れ込んだだろう。菅義偉は押され、解散に踏み切れぬまま狼狽し、天皇の叱責もあって混乱し、都議選の結果が出た7月4日夜に退陣表明となったかもしれない。一体、あの党首討論の枝野幸男の面妖な態度は何だったのか。八百長プロレスを想起させる、敵に塩を送る手加減は何だったのか。未だにあの政治の正体が分からない。真相が掴めない。買収だとしか想像できない。買収であれば高かっただろう

レンガの1個や2個ではなく、ザブトン1枚だっただろう。安住淳と2人だから2枚か。菅義意からすれば造作もない処理だ。ザブトン2枚で五輪強行と政権延命を買えたのら安いものだ。その推測を裏づける証拠は何もない。だが、都民有権者は見ないようで見ていて、肌感覚で分かる政治の真実というものがある。あの時点で立憲民主の勝ちはなくなり、野党の勝利はなくなった。数日前、国対委員長の在任日数が歴代最長となった森山裕が、カメラの前で不気味な一言を呟いていた。「コロナ後の世界は大きく変わる」という予言をポーカーフェイスで置いていた。この種のバイプレイヤーの政治家は、こんな具合に、自分の密かな存在感を染み出させようとするものだ。だとすれば、この森山裕の言葉に注意を向け、われわれは意味を探り取る必要がある。森山裕とその権力周辺だけが知っている将来図がある。それは、6日に副総理の麻生太郎が切り出して観測気球を上げた、台湾有事の集団的自衛権発動の件と無関係ではないかもしれない。そして、ひょっとして、もし料亭国対があったとしたら、ザブトン2枚を肴にして、4人でその話がされていたのかもしれない。枝野幸男の討論攻勢が不発だった 謎は、その妄想が解かもしれない。
次の衆院選後は大連立があるかもしれないと考えるのは、それが理由である。