2021年7月20日火曜日

大阪 盛況の「表現の不自由展」閉幕/名古屋不自由展 再開しよう 市民ら宣伝

 一時は開催が危ぶまれた展会「表現の不自由展かんさい 消されたものたち」が府立労働センターで開かれ、16日~18日の会期を終了しました。連日、朝の段階で入場整理券が予定枚数に達する盛況で、延べ1300人が来場しました。
 会場に設置された寄せ書きボードには「私たちの社会が何から目を背けてきたのか、その一部を見ることができた」「少女像に会えるのを待ってました」「開催ありがとう」など多くのメッセージが寄せられました。
 この展示会は、吉村府知事が「危険がある」などと開催中止に傾いたのですが、センターの管理者による利用承認の取り消しをめぐり、大阪地裁に続き大阪高裁が15日、会場の利用を認める決定をし、府は最高裁に特別抗告するという経過もありました。

 実行委員の一人は「日本の民主主義は守られた」と評価しました。
 会場周辺では、中止を求める反対派が街宣車などから声を張り上げましたが、大阪府警が警備し無事終了しました必要に応じて警備をすれば事故は防げるものです。

 一方、名古屋市で開かれた展示会「私たちの『表現の不自由展・その後』」が中止に追い込まれた問題で、主催する「『表現の不自由展・その後をつなげる愛知の会18日、同市で展示再開を求める街頭宣伝を行いました。
 名古屋では市民ギャラリー栄を会場に6日から11日までの予定で「慰安婦」を象徴する「平和の少女像」などの作品を展示したのですが、施設で郵便物が破裂したことを受け、市が8日から11日までの臨時休館を決め、展示会が中止に追い込まれました。
 マイクを握った共同代表の久野綾子さんは、「中止させられた理由は今なお不明で、市も警察も主催者に明らかにしていない」と批判し、内容が気に入らない展示会や行事を暴力で中止させる戦時中の恐怖政治のような事態を絶対に再現させてはいけないと述べました。

 ジャーナリストの金平茂紀さんは、「主催者側に何の説明もなく一方的に中止することはとても失礼な態度で、残念だ」と強調しました。
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表現の自由 関西で守った 大阪 盛況の「不自由展」閉幕
                        しんぶん赤旗 2021年7月19日


(写真上)壁一面に張られた来場者のメッセージ=18日、大阪市中央区

(写真下)「平和の少女像」(左)と並んで座る女性=18日、大阪市中央区

 大阪市中央区の府立労働センター(「エル・おおさか」)で開かれた「表現の不自由展かんさい 消されたものたちは18日、3日間の会期を終えました。連日、朝の段階で入場整理券が予定枚数に達する盛況で、延べ1300人が来場しました
 会場に脅迫文が送られるなどで東京と名古屋では延期や中止に追い込まれ、大阪でも開催が危ぶまれていました。実行委員会のメンバーは「いろいろな市民の方々が自発的に、会場や大阪府に申し入れたり、実行委員会に協力を申し出たりしてくれました。これ(妨害)を許してたらあかんという市民の思いが固まってできた。表現の自由を関西で守った」と話しました。
 京都から訪れた大学生の女性(23)は「名古屋まで行って見られなかったので、今日は見られて良かったです。けど、なぜこれが展示できなかったのかとモヤモヤも感じました」と話しました。大阪市に住む男性(43)は「これで展示できなくなるんやと衝撃を受けました。多くの人が見られるようにして、それぞれが考え話し合える社会にならないといけない」と話しました。
 会場に設置された寄せ書きボードには「私たちの社会が何から目を背けてきたのか、その一部を見ることができた」「少女像に会えるのを待ってました」「開催ありがとう」など多くのメッセージが寄せられました。


不自由展 再開しよう 名古屋市の責任問う 市民ら宣伝
                        しんぶん赤旗 2021年7月19日


 (写真)街頭宣伝で訴える金平氏=18日、名古屋市

 名古屋市の施設で開かれた展示会「私たちの『表現の不自由展・その後』」が中止に追い込まれた問題で、主催する「表現の不自由展・その後」をつなげる愛知の会は18日、同市で展示再開を求める街頭宣伝を行いました。
 展示会は市民ギャラリー栄を会場に6日から11日までの予定で「慰安婦」を象徴する「平和の少女像」などの作品を展示。施設で郵便物が破裂したことを受け、市が8日から11日までの臨時休館を決め、展示会が中止に追い込まれました
 マイクを握った共同代表の久野綾子さんは、「中止させられた理由は今なお不明で、市も警察も主催者に明らかにしていない」と批判。内容が気に入らない展示会や行事を暴力で中止させる戦時中の恐怖政治のような事態を絶対に再現させてはいけないと述べ、「表現の自由を確立させるために、みなさんとともに活動を展開させていく」と訴えました。
 ジャーナリストの金平茂紀さんは、「主催者側に何の説明もなく一方的に中止することはとても失礼な態度で、残念だ」と強調。中谷雄二弁護士は、「弁護団を組織し、法的な問題も含めて名古屋市の責任を問うていく。市民と一緒にもう一度名古屋で不自由展をつくろう」と話しました。
 街宣では「平和の少女像」のパネルが展示され参加者が写真を撮ったり隣の椅子に座ったりしていました。在日韓国人の女性(51)は「加害の歴史や表現の自由を認めない行政の態度は許せない。抗議の声を上げ続けたい」と話しました。