2020年8月2日日曜日

02- 沖縄で爆発的な感染拡大、人口比で全国3位

 玉城デニー沖縄県知事は31日、新型コロナウイルスの感染拡大に対して県独自の緊急事態宣言を出しました。緊急事態宣言の期間は8月1日から15日で、期間中は沖縄本島全域で不要不急の外出と県境をまたぐ不要不急の往来を自粛するよう要請しました。

 沖縄県では31日時点で累計感染者は395人に上り、直近1週間の新規感染者数は人口10万人当たり1112人で、人口比では東京、大阪に次いで全国で3番目に高くなりました。
「夜の街」関係の感染者は73人米軍関係者で248です。
 病床利用率は1042%で、沖縄赤十字病院では院内感染が起きています。
 既に容易ならざる事態で、「Go Toが始まった後の4連休での感染者はこれから出てくる」ということです。

 琉球新報の5つの記事を紹介します(緊急事態宣言に関する記事は末尾に)
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爆発的な感染拡大、人口比で全国3位 沖縄、Go To影響は「これから」
琉球新報 2020年8月1日



 県は31日、新型コロナウイルスに71人が感染したと発表した。県内の累計感染者は395人に上った。30日に300人を超えたばかりだが、累計400人に迫り、急速に拡大している。県内の直近1週間の新規感染者数は人口10万人当たり11・12人で、人口比では東京、大阪に次いで全国で3番目に高くなった。那覇市の沖縄赤十字病院は同日、患者2人と看護師1人の感染を発表した。院内感染か確認している。米軍関係は、嘉手納基地所属の3人が感染し、累計感染者数は248人となった。

 病床利用率は104・2%と100%を超えた。医療提供体制が逼迫(ひっぱく)し、患者を収容できない状況が発生している。県によると、入院待機中の人が20人程度に上っている。病床確保が患者の増加に追いつかない状況に大城玲子保健医療部長は「厳しい状況だ」と述べ、病床と宿泊療養施設の確保を急ぐ考えを示した。

 那覇市の飲食店など「夜の街」関係の感染者は73人に上ると明らかにした。同市久茂地のバーでも少なくとも従業員と利用者計8人の感染が判明し、クラスター(感染者集団)が発生したと発表した。松山のキャバクラ店2店舗での感染者数は31日時点で従業員21人、利用者12人の計33人。石垣市のキャバクラ店従業員6人の感染についても県はクラスターだと発表した。

 県の糸数公保健衛生統括監は、現在の急速な感染拡大は政府の観光支援事業「Go Toトラベル」前に沖縄に来た人でクラスターを形成し起きたとした上で「Go Toが始まった後の4連休での感染者はこれから出てくるだろう」と見通しを示した。


沖縄コロナ病床、限界を超える 患者20人待機 新たなホテル確保急ぐ
琉球新報 2020年8月1日
 新型コロナウイルス感染者急増で、31日に県内病床利用率は100%を突破し限界を超えた。31日に入院・療養先が見つからず、待機せざるを得なかった患者は20人程度。症状のある患者から優先的に入院させているという。県の大城玲子保健医療部長は「収容できない状況に陥っている」と焦燥感を募らせた。

 療養が必要な感染者は31日時点で244人で、県内の病院や軽症者用ホテルの病床(計235床)を超えた。県は来週にも、新たに那覇市内で100床以上のホテルを借り上げるための調整を急いでいる。
 県の警戒レベルの7指標は、「病床利用率」に加えて、31日に「直近1週間の新規感染者の合計」も最終段階の「第4段階(感染まん延期)」に達した。第4段階に入った場合、県の行動例は「スーパーなどへの外出も最大限控えるよう求める」「学校が臨時一斉休校」としている


離島の自治体、次々と来島自粛を呼び掛け 高齢者多く医療体制も不十分
琉球新報 2020年8月1日
 【中部・北部】平安座島や浜比嘉島などの離島を有するうるま市と伊平屋村、伊是名村は31日、新型コロナウイルス感染防止のため、来島自粛を呼び掛けることを決めた
 うるま市は当面の間、伊是名村は県の緊急事態宣言の期間に準じ8月15日まで、伊平屋村は8月31日まで。
 伊是名村は村と今帰仁村の運天港を結ぶフェリーも減便する方針。村の担当者は「村の医療体制や高齢者が多いことなどを踏まえて決定した」と説明した。
 伊平屋村は村民に対しても8月31日まで、島外への不要不急の渡航を自粛するよう呼び掛ける。同村は「離島のため医療体制が十分ではない。感染者を一人も出さないための村独自の判断だ」と協力を求めた


沖縄の5米軍基地、98人が陽性 31日発表 経路など公表せず
琉球新報 2020年8月1日
【東京】在日米軍は31日、基地別の米軍関係者の感染者数をホームページで更新した。同日午前9時現在で日本国内の11基地で計127人の陽性が確認されており、そのうち(沖縄)県内は5基地98人だった。
 県内の内訳はキャンプ・ハンセン56人、普天間飛行場35人、キャンプ・コートニーとキャンプ瑞慶覧が各1人、嘉手納基地5人。既に陰性になった米軍関係者は人数に含んでいない。
 在日米軍は7月20日から基地別の感染者数を公表しており、今回の更新が5度目。ただ、属性や感染経路などの情報は明らかにされていない。
 河野太郎防衛相は31日の記者会見で、公表の在り方について改善は必要かを問われ「米軍とそれぞれの保健所の間で情報のやりとりが既に行われており、それ以上必要ない」と答えた。


沖縄県が緊急事態宣言 本島全域で外出自粛要請、15日まで 那覇飲食店は時短営業
琉球新報 2020年8月1日
 玉城デニー知事は31日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、県の警戒レベルを4段階中の第3段階「感染流行期」に引き上げ、県独自の緊急事態宣言を出した
 緊急事態宣言の期間は8月1日から15日。期間中は沖縄本島全域で不要不急の外出を自粛するよう県民に求める。県境をまたぐ不要不急の往来も自粛するよう要請し、観光など県外からの来県は慎重な判断を求めた。医療体制を守るため、離島への移動も最小限にし、期間中の県内イベントの開催についても中止や延期、規模縮小の検討を呼び掛けた。

 緊急事態宣言は4月に引き続き2回目。玉城知事は31日の新たな感染者数が過去最多の71人を確認し、7月に入ってからの累計感染者数が253人になったことを挙げ、「爆発的な感染拡大がみられる」と述べた。
 感染拡大のスピードが想定を上回っており、感染者を受け入れる病床数が逼迫(ひっぱく)していることから、玉城知事は「重大な局面を迎えていることを県民に伝え、感染拡大防止に取り組むため宣言を発出した。何としても医療崩壊を食い止めなければならない」と訴え、県民一人一人の感染防止策の徹底を呼び掛けた。

 中南部を中心に感染が広がっており、特に那覇市の感染者数が115人に上ることなどから、接触や「3密」の場を減らすために、期間中は市内の飲食店の営業時間を午前5時から午後10時までにするよう求めた。営業時間短縮に協力する店舗には10万円の協力金を支給する。
 県はこれまでクラスター(感染者集団)が発生している那覇市の松山地域に店舗を構える接待・接触を伴うスナックなどに同期間、休業要請を実施することを決めている。キャバレーやナイトクラブ、ライブハウス、スナックなどを対象とし、応じた事業者には協力金20万円を支給する。

 20、30代以下の若年層への感染が多いことから、携帯電話のアプリなどを活用した感染防止対策や新しい生活様式の実践を呼び掛けた。