2020年8月4日火曜日

枝野さんと玉木さんを比べてみた(田中龍作ジャーナル)

 立憲民主党は支持率においても以前のような勢いはありません。代わりにメディアが持ち上げる「維新」に抜かれる事態もありました。
 代表の枝野氏にしても、国対委員長の安住氏にしても、菅首相(当時)氏や野田首相(同)になってからは一体何をしたかったのか分からない民主党政権の時のメンバーで、彼らは当たり障りのない発言はするものの、何処まで信じて良いか分からないという怪しさが付きまといます。

 先に消費税率引き下げを野党の統一政策にする動きがありましたが、枝野氏は賛成しませんでした。それを含めて野党共闘への姿勢も一向に明確でありません。自分の党の伸長だけを狙っているという感じです。
 このところ立憲民主党と国民民主党の合流の話が出ていて、枝野・玉木氏の間で協議を繰り返してかなり合意に近づいたのだそうですが、なんと枝野氏側の党名へのこだわりが強くて暗礁に乗り上げたと聞きます。これもまた信じがたいような話です。

 田中龍作ジャーナルが「枝野さんと玉木さんを比べてみた」とする記事を出しました。
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枝野さんと玉木さんを比べてみた

田中龍作ジャーナル 2020年8月2日
 立憲と国民の合流協議がいつ果てるともなく続く。新党の党首にふさわしいのは誰か。現実的な選択肢として立憲の枝野代表と国民の玉木代表を比べてみた。

 記者会見で判断する限り、枝野さんには対話の精神はない。わずか十数人の記者を説得できない政治家が、1億人を超す国民に向かって話しかけることは不可能だ。
 枝野さんは追及されると、聞き取りが不可能なほどの早口で理屈を並べ立てる。

 2011年に起きた福島の原発事故で、枝野官房長官(当時)が記者会見で言った「ただちに影響はない」は、今なお多くの国民の心にどす黒い不信感となって宿る。
 3月5日の定例記者会見で田中は枝野さんに質問した。「安倍首相の疑惑隠しとあなたが言い放った『ただちに影響はない』は、どこがどう違うのか? 福島の人が分かるように説明して下さい」と。
 枝野さんの答えがふるっていた。「それは一部を切り取ったもので、私の発言の真意ではない」と。
 枝野さん得意の詭弁に備えて、田中は国会事故調(2012年5月27日)当時の拙稿を携えていた。
 事故調に出頭した枝野さんは福島の委員に謝罪しているのだ。
 国会事故調との矛盾を田中が突き付けると枝野さんは「あなたと議論してるんじゃなくて、あなた私に質問してるんですよ」と逆ギレした。


     動画 枝野記者会見 2020年3月5日


【写真説明】国会事故調に呼び出された枝野前官房長官(肩書は当時)。委員たちから厳しい追及を受けた。=2012年5月、参院会館 撮影:田中龍作

 5月29日の記者会見では、枝野さんの口からさらに驚くコメントが飛び出した。
 前回(2016年)の都知事選。告示3日前の7月11日、午後5時30分頃、枝野さんと小池晃・共産党書記局長は、宇都宮健児弁護士をホテルニューオータニに呼び出し、事実上の撤退を迫った。
 田中がこの事実関係について問うと、枝野さんは「宇都宮さんとは会ったこともない」「事実ではありません」とトボケたのだ。
 (宇都宮さんへの撤退要請に同席していた小池晃さんは定例記者会見で事実関係を正直に認めている。)


          37分08秒目ごろから
 
 ところが枝野さんは宇都宮さんと会っていたことが判明する。
 次の記者会見(7月1日)で田中がそれを質すと、枝野さんは「俄かに記憶を喚起できなかったため」「記憶にないことをお話ししたらその方が不誠実」と答えた。
 記憶にないのであれば、なぜ「事実ではありません」と言えるのだろうか。
 相手が知らないと踏むとまず嘘を突く。ウソが露見すると詭弁でかわす。安倍首相とどこが違うのか。

 玉木さんは何を聞いても真正面から答える。第一ハグラかしたりはしない。
 永田町の取材歴が半世紀あまりの老練ジャーナリストが与太な質問をする。
 質問内容たるや「なぜ今ここで」「なぜ国民民主党に」という事柄だったりする。しかも国会議員を呼び捨てにしながら。
 与太な質問にも玉木さんは、一生懸命に答える。
 司会者が「では、これで玉木代表の記者会見を終わります」と告げて玉木さんが引き揚げようとする。
 そのタイミングで件の老練ジャーナリストが、またまた与太な質問をする。
 それでも玉木さんは立ち止まって体を正対させて答えるのだ。気の毒になるほどである。
 枝野さんとの大きな違いは二つ。対話の精神があることと経済に明るいことだ。
 若い頃、国税局勤務を経験し、庶民から税金を取ることの厳しさを身をもって知っている。
 財政出動の提言も具体的で分かりやすい。経済オンチと揶揄される枝野さんとは大きな違いだ。
 読者諸賢は公式動画を見て、どちらが野党の顔としてふさわしいか、判断してほしい。
~終わり~