政府与党が新しく選出する政権のライフは2021年10月(22日)までの1年余りです。
新内閣が誕生した勢いを借りて総選挙に打って出る可能性もあると思われます。
新内閣が誕生した勢いを借りて総選挙に打って出る可能性もあると思われます。
とこで立憲民主党・国民民主党などの合流に当たり、新党の綱領案に「立憲主義の深化」と共に「原発ゼロ」が盛り込まれました。しかし連合の神津会長がそれに強い懸念を示したため、27日に発表された、コロナ収束後の社会像として共有する「理念」からは、「原発ゼロ」の表現が除外され、原発廃止か存続かについて「二項対立的思考に陥ることなく、科学的知見に依拠する」という玉虫色の表現になりました。
旧民主党、旧民進党の議員たちの多くは、選挙時にポスター貼りやビラ撒き、それに票読みなどの実務を連合組合員の協力に頼っているため、連合会長の意向に反することはやれないのです。彼らがこの負い目を解消しない限り、何時まで経っても国民の目線に立った活動は出来ません。
植草一秀氏が「原発ゼロ明記しないなら新党はご臨終」とする記事を出しました。
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原発ゼロ明記しないなら新党はご臨終
植草一秀の『知られざる真実』 2020年8月29日
安倍首相が辞任し、自民党は新しい党の代表を選出する。
新しい内閣はコロナ緊急事態対応、選挙管理内閣の色彩を帯びる。
衆院任期は2021年10月。これまでに次期衆院総選挙が実施される。
2021年に延期した東京五輪の環境は一段と悪化している。
IOCは2020年10月には実施の可否について判断するものと見られる。
現状では感染は収束しておらず、本秋から来春にかけて感染拡大の第2波が襲来する可能性も高いと見られる。最終的に五輪は中止に追い込まれる可能性が高まっている。
衆院の解散・総選挙のタイミングは狭まりつつあり、年内に実施される可能性が高まっている。安倍政治に対峙する勢力は、この機会に一気呵成に政権奪取を目指す必要がある。
安倍政治が長期化してしまった最大の理由は、国政選挙で野党陣営が市民の強い支持を得られなかったことにある。
選挙に参加する有権者は5割。その半分が自公に投票している。
反自公に投票する有権者が5割存在するのに、反自公陣営は議席全体の3分の1しか獲得できなかった。
小選挙区、1人区の選挙では当選者が一人しか出ない。この選挙制度に的確に対応できてこなかった。
安倍政治に対峙する明確な政策路線を明示する。その上で、候補者調整を進め、一つの選挙区に一人の候補者を擁立することが勝利の必要条件だ。この必要条件が満たされずに来た。
野党の失態は二つの側面から捉えることができる。
第一は、安倍政治に対峙する明確な政策路線を明示することができなかったこと。
憲法・安全保障政策
原発
経済政策
に明確な政策路線を明示することが必要不可欠だ。
安倍内閣の憲法破壊を認めない。原発推進を認めない。弱肉強食推進の経済政策を共生の経済政策に転換する。この政策路線が明確に示されてこなかった。
第二に、候補者調整が十分に実行されなかった。一人しか当選者が生まれない選挙で野党が複数の候補者を擁立すれば、与党候補が勝利するのは自明だ。
候補者調整が十分に行われなかったことが安倍政治の長期化を許した大きな原因である。
この失態の責任を負うのが旧民主党、旧民進党である。
この政治勢力の最大の欠陥は、党内に自公政治の主張と反自公政治の主張が同居していること。「水と油の混合物」なのだ。
この状態を放置したままで、主権者に支持を求めても無理だ。この問題の解消が必要不可欠なのだ。
紆余曲折を経て、今回、立憲と国民が合流することになった。
創設される新党では、「立憲主義の深化」「原発ゼロ」が綱領に盛り込まれる方針になった。
これこそ、この政治勢力に求められてきたことだ。
連合の一部をなす「電力総連」などは、この綱領を受け入れられず、新党を支持しない方針を表明している。
所属議員のなかでも、この方針に賛同できない者は新党に参加しないと伝えられている。
これこそが、この政治勢力に求められてきた対応だった。
ようやく、政策の明確化が実現し、新党が発足する状況である。
ところが、最後になって、再び政策のあいまい化が取り沙汰されている。
新党を意義ある存在にするためには、「立憲主義の深化」「原発ゼロ」を綱領から排除することは致命的だ。
新党が連合に縛られた「隠れ自公」の存在と認識されることになる。
枝野幸男氏がこの点を明確に認識しているのかどうかが目下の最大の焦点である。
(以下は有料ブログのため非公開)