2020年8月10日月曜日

10- 「政府税調」がコロナ対策の財源確保と称し「消費税増税」を検討!

 政府が圧倒的な国民の反対を押し切って無理やり消費税を10%に上げたのは去年の10月でした。そして年が明けるとそれに追い打ちをかけるようにしてコロナ禍が襲いかかりインバウンドは消滅し、世界的な不況が始まりました。国内の企業の倒産や人員整理による失業者の増加はこの先さらに深刻の度を加えるものと思われます。

 それなのに5日に開かれた政府税調のオンライン総会では、何と「消費税増税を中核に据えた議論が必要」という意見が出されたということです。そして逆進性があって弱い者いじめで知られる消費税について、「むしろ消費減税をすることによって格差拡大を助長するということをまず国民にしっかりと訴えるべき」という意見も出されたということです。
 一体全体政府税調というのはどんな組織なのでしょうか!?

 因みに各国は一斉に減税に舵を切っていて、7月22日時点で税率引き下げや納税免除などの減税措置をとっている国は19カ国にのぼっているということです
 政府税調は明らかに「庶民の立場とは全く無関係」な組織であって安倍政権の本性を良く表しています。
 LITERAの記事を紹介します。
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正気か? 安倍首相の諮問機関「政府税調」がコロナ対策の財源確保と称し「消費税増税」を検討  世界各国は減税に舵を切っているのに
LITERA 2020.08.08
 7日に発表された6月の実質賃金は4カ月連続で減少して前年比19%減、6月の消費支出も前年比12%減少となり、新型コロナが生活に与える影響が深刻化している。それでなくても昨年10月の消費税の税率引き上げによって国民生活は大きな打撃を受けていたが、そこにコロナが追い打ちをかけるという悲劇的な状況だ。

 そんななか、永田町では「景気悪化を受けて、安倍首相が消費減税の是非を問うことを大義にして秋にも衆院解散・総選挙に打って出るのでは」という噂がくすぶっているが、ところがどっこい、政府では耳を疑うような議論がおこなわれていた。
 というのも、5日に時事通信が「「消費増税中核に」政府税調、財政悪化を懸念」とタイトルに打った記事を配信したのだ。そこにはこう書かれていた。
政府税制調査会(首相の諮問機関)は5日、ウェブ会議方式で総会を開催した。
会合では新型コロナウイルス対応で財政悪化が一層深刻となっていることを懸念し、「消費税増税を中核に据えた、骨太の議論が必要ではないか」といった意見が出た。〉
 この状況下にあって、安倍首相の諮問に応じる内閣府の審議会では、消費税減税ではなく、なんと「増税するべき」という議論がおこなわれている、というのである。
 本サイトでも、問題の政府税制調査会の審議中継を確認してみたが、この発言をおこなったのは、大和総研専務取締役である熊谷亮丸氏だった。熊谷氏は“人災だったリーマン・ショックとは違ってコロナは天災の色彩が強い”と言うと、こうつづけたのだ。
「(天災のため)責任をなかなか追及することができないので同調圧力が強くて、もう野放図にですね、歳出の拡大圧力、財政の悪化がつづくと。こういうリスクがあるわけでございますから、財源の調達の機能、とくに消費増税を中核に据えた、まあそういう骨太の議論がですね、必要ではないか」
「歳出拡大の同調圧力が野放図につづく」という言い草も酷いが、それを理由に「消費増税を中核に据えた議論が必要だ」とは、まったく開いた口が塞がらない。新型コロナの影響で収入が減って家計が圧迫されるなかで増税などすれば、さらに国民の生活は追い込まれ、消費はもっと冷え込み、内需がボロボロになることは明々白々ではないか。

 実際、世界では多くの国が減税に舵を切っている。
 たとえば、ドイツでは半年間、日本の消費税にあたる付加価値税を19%から16%に引き下げ、食料品などに適用されている軽減税率も7%から5%に引き下げ。また、イギリスも7月15日から半年間、レストランやホテル、映画館などの利用でかかる付加価値税を20%から5%にまで大幅に引き下げている。同様にベルギーでも、レストランやホテルなどを対象に12%から6%に引き下げた。このほか、オーストリア、チェコ、ケニアなども減税に踏み切っており、7月22日時点で税率引き下げや納税免除などの減税措置をとっている国は19カ国にものぼる
 減税措置によって打撃を受けている産業に刺激を与え、雇用を守り、同時に家計の負担を減らす。事実、ドイツの減税措置では日本円にして月1万4000円余りの家計負担が減るといい(NHKニュース7月2日付)、ドイツのショルツ副首相兼財務相もこう述べている。
「消費を底支えするには速度が必要だ。期間限定なのは速度が必要だからだ。人々は買い物に行き、生活への自信も復活するだろう」(しんぶん赤旗7月24日付)

■政府税調では「消費税減税は格差を助長すると国民に訴えろ」というトンデモ意見も
 さらに、新型コロナの影響で大きな煽りを受けているのは低収入の非正規雇用者だが、消費税は低所得者であるほど負担が重くなる逆進性がある。つまり、いま消費減税をおこなうことで、コロナの影響を大きく受けている生活が苦しい人たちの負担を減らすことができるのだ。
 ところが、この国は感染拡大の最中に、感染をより広げる「Go Toトラベル」などという世紀の愚策に税金を注ぎ込んでいる上、コロナを理由に「増税するべき」などという意見が政府の審議会から飛び出す始末。いや、それだけではない。政府税制調査会では、「増税」を口にした熊谷氏のみならず、土居丈朗・慶應義塾大学教授もまた、こんなことを主張していたからだ。
「せっかく10%まで税率をあげて社会保障の財源ということが国民にも合意を得ながら税率をあげてきて、ところがその消費税率の引き下げというものが、まだいまだに待望論のようなものがあるわけですけれども、むしろ消費減税をすることによって格差拡大を助長するということをまず国民にしっかりと訴えるべき
 世界の国々が減税措置をとるなか、「増税すべき」「減税は格差を助長すると国民に訴えろ」などと主張する──。この世界との逆行ぶりは、検査の問題とも重なる。世界の多くの国や地域が検査数を増やすことで感染を封じ込めようとし、実際に成果もあげているが、人口100万人あたりの検査件数のランキングで、世界215の国・地域などのうち、日本は155位(7日時点)。目もあてられない状況となっているからだ。

 今回の「増税すべき」という意見が出たことを伝えた時事通信の記事をリツイートしたひろゆき氏は〈庶民は生かさず殺さずで、増税するのは江戸時代から変わってないですね〉とつぶやいていたが、検査の問題しかり、政府の審議会で増税が叫ばれることしかり、ようするにこの国において国民は虫けら同然にしか扱われていないということなのだろう。(編集部)